あいちゃ
2016年02月20日
00:33
超感動的ストーリー 『八日目の蝉』 の、
映画版とドラマ版を比べてみよう企画の第3弾です。
今回は、「映画版」の特筆すべきポイントを
一気にまとめてみましょう。
あくまで、個人的な主観に基づく見解なので、あしからず。
1.映画版は風景映像が格段にきれい!
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物語の後半は、小豆島に舞台が移り、
そこでの希和子と薫の日々の生活がつづられます。
『瀬戸内の、鏡のような穏やかで美しい海』。
『虫おくり祭りの、息を呑むほどにきれいで幻想的な夜景』。
もちろん、テレビドラマの映像もとてもすばらしいですけど、
映像の美しさだけで見たら、やっぱり映画に軍配かな^^
2.『お星さまの歌』 にしびれました。
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秋山家に無事に保護された薫、こと、秋山恵理菜は、
実母である恵津子に、「お星さまの歌を歌って」、
と懇願しますが、恵津子が、キラキラ星など、
思いつく歌を懸命にあげていっても、
恵理菜は「その歌じゃない」と否定し続けて、
ついには恵津子を怒らせてしまいます。
さてさて、
恵理菜が知っていた『お星さまの歌』とはいったい?
これは、物語全体から見れば、ささいな副題に過ぎませんが、
それが判明した時には、なぜかぼろぼろ泣けてしまいます^^;
3.タキ写真館が、なんともいえずいいのよねえ@@。。
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小豆島の中にある写真館が、物語の主題の伏線として、
八日目の蝉では、とても重要な役を担っています。
ドラマ版では写真館の名前は、「鈴木写真館」ですが、
映画版では、「タキ写真館」となっています。
そして、田中泯さん演じるタキ写真館の館長なんですが、
無表情、無愛想、何もしゃべらないし、暗くて不気味~^^;
だからこその感動が、、、あとは実際の映画をご覧ください。
4.そして希和子を演じる永作博美さんの圧倒的な存在感。
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もちろん主役の井上真央さんがあっての映画版なのですが、
やっぱり永作博美さんが、どうにもこうにも、すごい!
ところで、ドラマ版で壇れいさんが演じる野々宮希和子と
永作博美さんが演じる野々宮希和子は、
人物像がちょっと違っているように、あたしは思います。
というのも、映画版の永作博美さん演じる希和子からは、
『内面に秘めた強い意思』、がひしひしと伝わってくるのです。
壇れいさん演じる希和子像は、後日語らせていただきますが、
それとは違った女性を、永作博美さんは見事に演じました。
先にドラマ版で成功をおさめた希和子像がある中で、
のしかかるプレッシャーは相当なものだったと思います。
どんなところにそれが現れているのでしょうか?
たとえば、物語の序盤に、身元を隠すために
希和子は自慢の長い髪をばっさりと切ってしまいます。
それを永作さんは地毛を切るという迫真の演技で演じました。
とても迫力あるシーンで、
永作希和子の強い意思が伝わってきます。
そして、ラストの埠頭のシーン……。
ドラマ版では、不意をつかれて
戸惑っている希和子の姿がありましたが、
映画版の希和子は、
これから起こることをはっきりと覚悟しているのです。
この相違は、さりげないけど、とても大きな違いだと、
あたしは思います。
(そして、どちらも異なる角度からの感動を与えてくれます)
全てを覚悟した者が選択した悲しい行動が、
観る人の胸を打つのです。
もう泣くしかありません><。。
写真館で撮った希和子と薫の記念写真は、
ドラマ版では、やさしく微笑む希和子の顔が写されています。
これも涙を誘うのですが、
映画版では、覚悟を決めた悲しみの中、
必死に微笑もうとしている希和子が、
見事に表現されています。
ここもすご過ぎです。
さらに映画版では、法廷での姿を最後に、
その後の希和子は、全くストーリーに登場しません。
悲し過ぎます@@。。
(原作者の角田光代さんは、
大人になった恵理菜と希和子の再会を
させるべきか悩んだ末に、
再会をさせないという結末を、
原作で選択されたようです。
ドラマ版も映画版も、
その選択を忠実に守っているということですね)
5.恵理菜が未来を決断するラストシーンが泣けます
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過去をすっかり思い出した、
井上真央さん演じる大人になった恵理菜。
そこで恵理菜は、
今まで積もり積もった希和子への想いを一気に吐き出します。
恵理菜は希和子のことを、それまでは、
『世界で一番悪い女』、とか、
『野々宮希和子』、と呼び捨てにして、呼んでいました。
でも、最後の最後のシーンで、一回だけ、希和子のことを、
それまで口にしなかった別な呼び方で、呼びました。
そして、物語は終わり、エンディングテーマである
中島美嘉さんが歌う 『Dear』 が流されるわけですが、
この絶妙なコンビネーション。涙、ジュルジュル状態です。
すご過ぎです><。。
(このDearという曲、
亡くなった恋人を歌っている歌のようですが、
「あなたに名前を呼んで欲しくて、初めて声をあげ泣いたよ」
って歌詞が、登場人物が誰も死んでいない物語に、
どうしてこんなにピッタリとはまって、
切なく響くのでしょうか^^;)
さあ、こんなにすごい映画に対して、
ドラマはどう太刀打ちするのでしょう?
そして、観た人がそろって、映画よりもすごい、
と断言をさせてしまうドラマの魅力とは?
次回はNHKで放送されたドラマ版のいいところを
追っかけてみま~す^^