名曲の詩を考えてみよう企画の第2弾です。
前回も紹介いたしました『竹田の子守唄』は、
地元で歌い継がれている「元唄」を、
フォークグループ「赤い鳥」がアレンジしたものです。
その美しい独特な旋律にのって、
短いけれども、奥深い、難解な歌詞が唄われます。
それでは、その第1番の歌詞から考察してみましょう。
1.守りもいやがる 盆から先にゃ
雪もちらつくし 子も泣くし
…… ?? @o@
皆目意味不明ですねー。
初めて聴いた時に、あたしは、(なぜか)
守り ⇒ 森林警備隊
と思い込み、
盆 ⇒ 危険区域の手前にある「盆」という地名
とも思い込み^^;
森林警備隊のスペシャリストの方々も嫌がるほど、
「ぼん」地区の先は、深くて危険極まりないな領域である。
なんてイメージで聴いていました。
そんな風に思われた方はいませんでしたか?
そんなんは、おめーだけだっつーの><。
でもでも@@。。にしても、意味不明じゃないっすか?
「守り」は子守りのことですよね。
子守りとは、貧しい家に生まれた小学生くらいの子供が、
お金持ちの家に奉公にいき、子守りくらいしかまだ
仕事も満足にできなくて、一日中、赤ん坊をあやしている、
ということらしいです。
それから「盆」は、お盆のこと。
亡くなった祖先の霊を敬う行事ですよね。
歌の時代のお盆は、いわゆる「旧盆」になっていて、
7月15日くらいに行われていたそうです。
ふむふむふむ@@、、
「子も泣くし」は、めんどうをみている赤ん坊が
泣いちゃって、困っちゃったな~。という意味でしょう。
そうよね~。じゃあ、歌詞も全部わかったじゃん^^
んなわけねーよー><。 みなさん、意味わかる@@。?
疑問をまとめましょう。
疑問① 盆の先ってなに?
疑問② なんで子守娘は盆から先を嫌がるの?
疑問③ 「お盆」って楽しいイベントなの?
疑問④ お盆は夏なのに、なんで雪がチラつくんだよー?
疑問⑤ 赤ちゃんはなんで泣いちゃうの?
いかがですか?
でしょ、でしょー、全く意味不明なのよー、この歌詞は。
疑問③がまず解けます!
それは歌詞の2番をみればいいんです。
まずは2番歌詞をどうぞ。
2.盆がきたとて なにうれしかろ
帷子(かたびら)はなし 帯はなし
「帷子」は、夏用のひとえの衣類。下着みたいなイメージ?
「帯」はそのまんまの腰に巻く帯ですよね。
そして、帷子と帯がないということは、
貧しくて、普通の衣類を着ていない、ということです。
せっかくお盆が来ても、あたしは何にもうれしくないの。
だって、帷子もなければ、帯もないんだから……。
という意味ですよね。
うんうん、ここの意味はおそらく間違いないわ@@。。
つまり、「お盆」は、
普通の人にとっては楽しい行事ということです。
(でも、子守娘は、お盆が来てもちっともうれしくない!)
そこで1番歌詞にまた戻ってみます。
疑問①の「盆から先」とは、時間的な先のこと。
つまり、お盆が終わってしまった先のこと、を指します。
次は、いよいよ疑問②に注目。
なんで子守はお盆の先の季節を嫌がるのか?
ちょっと回り道ですが、
「竹田の子守唄」ととてもよく似た歌である
「五木の子守唄」でも、お盆の先という歌詞が登場します。
その歌詞を紹介しますね。
1.おどま盆ぎり盆ぎり
盆から先きゃおらんと
盆が早よくりゃ早よもどる
2番以降は省略します。
五木の子守唄動画は、こちらからどうぞ
用語の意味です。
こちらのHPを参照させていただきました。
「おどま」 ⇒ 私
「盆ぎり」 ⇒ お盆まで
「もどる」 ⇒ 奉公先から、(晴れて)生家に戻る。
子守りの私は、奉公の契約がお盆までになっているから、
お盆が来ればこんなとこ(奉公先)には、いないよー!
お盆が早く来れば、早く生まれたお家に戻れるんだ~。
という感じの意味でしょうか?
でも、五木の子守唄では、お盆は奉公の契約期限という
意味をもっていますけど、
竹田の子守唄では、そんな記述はありません。
だから、竹田の子守唄のお盆は、単なるお盆^^;?
という意味にとれます。
さらに、お盆の先を嫌がる理由は……?
「守りもいやがる」の『も』という助詞も気になります。
つまり、普通の人は、楽しいお盆が終わると、
その先は秋が来て、やがて厳しい冬がやって来る。
だから、お盆の先を嫌がるのが普通の感覚であるが、
当然のことながら、子守りも(『も』)
厳しい季節であるお盆の先は嫌なんですよ、
という意味でしょうか?
ということで、難解な1番の訳はこんな感じですかね?
子守りのわたしでも、お盆の先の季節なんて大嫌いよ。
どうせ、お盆が過ぎれば、
あっという間に雪の季節になっちゃって、
ただでさえ手間のかかるこの赤ん坊は、
寒くなれば余計にわたしを困らせることだろうから。
あんまり自信もありませんが、
とりあえず、今日はここまで。
次回に続きます^^