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2013年05月06日

江戸川乱歩の小説3



最近、江戸川乱歩の小説がマイブームになってしまったあたしです。
今回も新潮文庫の「江戸川乱歩傑作選」という短編集を購入して、
読んでみましたが、期待通りの珠玉の作品にただただ感動です。

まずは目次ですが、
 1、 二銭銅貨
 2、 二廃人
 3、 D坂の殺人事件
 4、 心理試験
 5、 赤い部屋
 6、 屋根裏の散歩者
 7、 人間椅子
 8、 鏡地獄
 9、 芋虫
と、全部で9つの短編が収められています。

処女作の二銭銅貨や、D坂の殺人事件、心理試験は
謎解きが主眼の面白い推理小説ですが、
あたしが好きなのは、それ以外の作品です。
人間の異様な心理をテーマに意外な方向に展開する
ストーリーは、他の作家にはまずまねできないものです。
(乱歩って天才なんだわ~^^)
文体も独特で、古い時代の文体に、
異様に長い文章を効果的に散りばめて、
それでいて読みやすくてついつい引き込まれてしまう。
読みやすいって、すごく大事ですよね。

有名な屋根裏の散歩者や人間椅子は、エッチな心理
ばかりを強調している作品かなと思っていましたが、
そんなことはなくて、犯罪者のリアルな精神の描写に
力が込められた迫力のある傑作小説でした。

そして、とどめが最後に収録された芋虫です。
タイトルから話の内容がおおよそ推測できませんか?
絶対に読みたいとは思わないよね><。。
でも@@、他の作品があれだけ面白かったから……、
えいやー、と読んでみましたが、

すご過ぎです……。

読まなければよかったのかも^^;
怖いのが嫌いな人は、覚悟して読んでみてね。

ううっ、どんどん危険な世界に引き込まれていく~。
お次はいよいよ黒蜥蜴を読んでみよっかな^^。  


Posted by あいちゃ at 20:00Comments(0)江戸川乱歩

2013年03月21日

江戸川乱歩の小説2



日本ミステリー界の先駆者である江戸川乱歩。
巨匠であることは知っていましたが、独特な個性の強さ^^;ゆえ、
あたしにとっては、まだ読んだことのない作家の一人でした。
でも、ふと「孤島の鬼」という小説を読んでみたら、
これがすっごく面白くて、めちゃくちゃ感動してしまいましたので
ここで紹介させていただきます。

江戸川乱歩といえば、「エロ・グロ・猟奇・残虐趣味」を得意と
する作家だと、Wikipediaには評価されています。
「孤島の鬼」は1929年から執筆された作品で、
乱歩としては初期から中期に変化する時期の作品のようです。
名探偵明智小五郎は登場しません。

じゃあ、なにが面白いのか?
序文から、主人公はまだ若いのに髪の毛が真っ白になっている、
とはじまり、理由は世にも恐ろしい体験をしたから、となってます。

こんな出だしをされれば、読み手は興味は惹かれますけど、
大抵は、結末まで進むと、失望させられることが多いですよね。
最近の作品は、出だしだけ一生懸命で、読ませちゃえば勝ち、
などという傾向がちょっとはびこっているような気がしますけど、
果たして、乱歩の「孤島の鬼」もしかりなのでしょうか?

ちがいまーす^^ 本当に怖いんです><。。
読んでみてください。
それだけじゃありません。
同性愛が作品のバックグラウンドのテーマになっていて、
序盤は2つの殺人事件が起こります!
一つは日本の長屋で起こった密室殺人、
もう一つは多数の目撃者の中で実行された不可能犯罪です。
しかも、見事なトリックと意外な犯人、ということで
これだけでも十分楽しめる小説なんです。

でも、でも、それだけじゃありません。
その犯行の動機を調べていくと、
世にも恐ろしい邪悪と想像を絶する恐ろしい事実!
不気味な孤島の不気味なお屋敷、
蔵、魔の淵、謎の呪文、鍾乳洞、エトセトラ……。

なんじゃーこれ><。キモアイテムのオンパレードやん@@。

しかも、そのすべてが緻密なパズルのごとく組み込まれ、
耽美的な文章にも魅せられて、一気に読めちゃいます。

すげー、最初から最後までスリルとわくわくの連続~!
エログロも盛り込まれて、怖いけど、とっても知的なのよね~。
(なんじゃ、知的なエログロって^^;)

まあ、とにかく読んでみてください。
至高のエンタテイメント「孤島の鬼」は、角川ホラー文庫の
江戸川乱歩ベストセレクション⑦ から販売されてますよ。
  


Posted by あいちゃ at 10:58Comments(2)江戸川乱歩

2013年03月20日

江戸川乱歩の小説1



江戸川乱歩といえば、横溝正史とともに称される
日本のミステリー界の先駆者であり、二大巨匠ですよね。

日本を代表する名探偵は? と聞かれれば、
誰が何といっても、 明智小五郎と金田一耕助!
ベスト10を選べば、ワンツーフィニッシュ間違いなし。

ところが、アガサ・クリスティは大好きだったあたしですが、
このお二人は、最初はパス^^; しとりました。
というのは、このお二人の作品は怖いんです~><。。

ただ、細かくいえば怖さが違います。
横溝正史は、社会の異常な因習を源とする恐怖ですが、
江戸川乱歩は、人間の異常心理を源とする恐怖ですね。

それから、ミステリーのタイプが違うように思われます。
横溝正史は、エラリークイーンのような
読者と作者が知恵比べする、
完全手掛かり提供型の本格推理小説を目指してますが、
江戸川乱歩は、ヴァンダインのように、
(あっ、乱歩さんはヴァンダインはお好きじゃなかったかも
しれないので、怒られちゃうかしら? ^^;)
作者の手の内で物語が進行するけど、
とにかく読者をはらはらわくわくさせることを主眼とした
劇場型ミステリーエンタテイメントを目指している気がします。

こんな、あたしの『二大巨匠の食わず嫌い』でしたが、
まず読めるようになったのが、横溝正史でした。
当時、「犬神家の一族」や「八墓村」などは怖すぎで、
誰が読んでやるかよ~、と思っていましたが、
「獄門島」を、日本一難解な推理小説だとのCFに引かれて、
最初に読んでみたら、怖さも文章だとまだマイルドで
(映像だと怖さはやばいっすよね~^^)
そのトリックはすっごく面白かったので(感動もん@@。。)
このあと、「八墓村」もどうにか読むことができました。

それでも、江戸川乱歩となると読む気がしなかったんです。
だって、乱歩の怖さって、キモ・グロですよね^^;
まだ読んでませんが、ストーリーが有名な「人間椅子」という短編。
読まず嫌いとはいえども、やっぱりパス^^; ってなりませんか?
本格推理で楽しみたいのに、乱歩の小説はスリラーっぽくて、
しかも――、 とびきりグロ~い><。

ところがところが……、
とあるきっかけで、このたびあたしは乱歩のある小説を
手にして読むことになったんです。
したら、これが……、
すっごく面白かったよー! なにこれー@@。。
感動の雨嵐じゃー><。

その小説は、「 孤島の鬼 」 という長編でした。
詳細は次回に引っ張ります! ^^;




  


Posted by あいちゃ at 02:39Comments(0)江戸川乱歩