
2013年09月28日
ご当地ソング3

ご当地から愛されているスタンダード曲を紹介しています。
本日の歌は、、、 「瀬戸の花嫁」 で~す^^。
まずはオリジナルの小柳ルミ子さんの歌の動画をどうぞ。
⇒ 瀬戸の花嫁 (歌 小柳ルミ子)
まずは歌詞を見てみましょう。
瀬戸の花嫁
作詞:山上路夫 作曲:平尾昌晃
瀬戸は日暮れて夕波小波
あなたの島へお嫁にゆくの
若いと誰もが心配するけれど
愛があるから大丈夫なの
だんだん畑とさよならするのよ
幼い弟行くなと泣いた
男だったら泣いたりせずに
父さん母さん大事にしてね
岬まわるの小さな船が
生まれた島が遠くになるわ
入り江の向こうで見送る人達に
別れ告げたら涙が出たわ
島から島へと渡ってゆくのよ
あなたとこれから生きてくわたし
瀬戸は夕焼け明日も晴れる
ふたりの門出祝っているわ
シンプルな歌詞のように見えますが、
なかなか味わい深さがありますよね。
瀬戸内海の離れ小島という特殊な場所と、
花嫁に嫁ぐ瞬間という特殊な状況の、
ふたつの難しいシチュエーションを、
一番の歌詞では、
「だんだん畑とさよならするのよ
幼い弟行くなと泣いた 」
といともたやすく説明してくれています。
(鮮やか~@@。。)
やさしいメロディーがすてきな瀬戸の花嫁ですが、
あたしは個人的には
この曲はかなり攻撃的なメロディだと感じています。
メロディを大雑把に分けると、
「安定」、「変化」、「回復」とあるそうです。
(ちなみに、あたしは専門家ではありません^^;)
「安定」は自然なメロディ、
「変化」は不自然なメロディで曲が高揚します。
「回復」は、変化で高揚したメロディを
安定に戻す役割のメロディです。
さてさて、この瀬戸の花嫁のメロディって
「瀬戸は日暮れて」 → 安定
「夕波小波」 → 変化
「あなたの島へ」 → 安定
「お嫁に行くの」 → 超安定
「若いと誰もが」 → 安定
「心配するけれど」 → 変化
「愛がるから」 → 安定
「大丈夫なの」 → 変化
「だんだん畑と」 → 変化
「さよならするのよ」 → 変化
「幼い弟」 → 回復
「行くなと泣いた」 → 超安定
と個人的な印象ですが、
かなり忙しいメロディのように感じます。
でも、聴いていて、リラックスしてしまうところが、
本当に不思議ですごいメロディだと思います。
この瀬戸の花嫁はオリジナル曲のインパクトが
偉大すぎるのか、あまりカバーされていないみたい。
そんな中、水森かおりさんを最後に貼っておきます。
⇒ 瀬戸の花嫁 (歌 水森かおり)
2013年09月21日
ご当地ソング2

地元の観光地で流されるなど、
地元の人々から愛されているご当地ソングを
選び出して紹介するコーナーです。
今回の歌は、
前回の『宗谷岬』の対抗馬といえる、
北海道の岬の歌です。
1960年に俳優森繁久彌さんが歌った名曲、
『 知床旅情 』 ~ ^^
その後、歌手の加藤登紀子さん(紅の豚のジーナさんです)
がカバーしたのが大ヒットして、一躍有名になりました。
まずは、聞いてみてください。
⇒ 知床旅情 (歌 加藤登紀子)
では、知床旅情の歌詞を見てみましょう。
知床旅情
作詞:森繁久彌 作曲:森繁久彌
知床の岬に はまなすの咲くころ
思い出しておくれ 俺たちの事を
飲んで騒いで 丘にのぼれば
はるかクナシリに 白夜は明ける
旅の情けか 飲むほどにさまよい
浜に出てみれば 月は照る波の上
今宵こそ君を 抱きしめんと
岩かげに寄れば ピリカが笑う
別れの日は来た ラウスの村にも
君は出てゆく 峠をこえて
忘れちゃいやだよ 気まぐれカラスさん
私を泣かすな 白いかもめよ
白いかもめよ
この歌詞にも、いくつかの謎が残されています。
まずは、1番の最後に出てくる「白夜」ですが、
残念ながら北海道では白夜は見ることができないそうです。
(あらら^^;)
それから、宗谷岬の歌詞にもあった二つの共通する言葉!
「はまなす」と「ピリカ」です。
はまなすは、北海道の岬を代表する植物のようです。
だから自然なんですが、
「ピリカ」は、ちょっと意味がわかりません。
というのは、「ピリカ」という言葉は、
アイヌ語で「美しい、良い」という意味なんです。
2番の歌詞の最後で「ピリカが笑う」という言葉が、
意味をなしていませんよね@@?
一説によると、ここでのピリカは、「美人、娘さん」という
意味で使われているとのことです。
「宗谷岬」の時といい、「知床旅情」の時といい、
いずれも 「ピリカ」の用法があたしには納得できませんが、
まあ、名曲だから、いっかな^^ って感じで先に行きます。
ブログ「星の原野から」でさらに歌詞の深い分析がされてます。
「白夜」は、(はくや)と読むのが正しくて、
(びゃくや)は本来は間違いだそうですが、
この歌の影響で地位を得てしまったそうです^^;
後の歌詞で、一部の歌詞が修正されています。
2番の、 「今宵こそ君を」 ⇒ 「君を今宵こそ」
(たぶん、修正後の方が歌いやすいのでしょうね)
3番の、 「羅臼の村にも」 ⇒ 「知床の村にも」
(歌詞自体は歌いにくくなってしまっているけど、
地元の人々に配慮したため、だそうです)
これもかなり有名なエピソードですが、
知床旅情のメロディーは、唱歌「早春賦」と同じです。
森繁久彌さんが作曲するときに、うっかりメロディが
浮んでしまったのかもかも^^;
このように数々の話題を提供した名曲「知床旅情」。
やさしい歌ですが、底知れぬパワーを感じちゃいます。
最後にたくさんの人のカバーの中から、
藤圭子さんの歌う知床旅情を紹介しておわりにしま~す。
⇒ 知床旅情 (歌 藤 圭子)
2013年09月16日
ご当地ソング1

旅路でふと流れてくる「ご当地ソング」。
そこで、今回は地元の人から愛されている
典型的なご当地ソングを取り上げて、
紹介していくことにしました。(新企画~^^)
最初に取り上げるのは、
北海道の最果ての地を歌った、
「宗谷岬」 です。
吉田弘作詞、船村徹作曲のこの曲は、
1972年に、黒木真理(まこと)さんの歌がオリジナルだそうです。
やがて、1976年に「NHKみんなのうた」で、ダ・カーポが歌って
この歌は、一躍有名になりました。
1983年には、千葉紘子さんの歌もヒットして、
その時の歌詞が宗谷岬に据えられた歌碑に刻まれています。
まずは、歌詞を眺めてみましょう。
『宗谷岬』 吉田弘作詞、船村徹作曲
流氷とけて 春風吹いて
ハマナス咲いて カモメも啼いて
遥か沖ゆく 外国船の
煙もうれし 宗谷の岬
流氷とけて 春風吹いて
ハマナス揺れる 宗谷の岬
吹雪が晴れて しばれがゆるみ
渚の貝も 眠りが覚めた
人の心の 扉を開き
海鳴りひびく 宗谷の岬
流氷とけて 春風吹いて
ハマナス揺れる 宗谷の岬
倖せもとめ さいはての地に
それぞれ人は 明日を祈る
波もピリカの 子守のように
思い出残る 宗谷の岬
流氷とけて 春風吹いて
ハマナス揺れる 宗谷の岬
歌詞に出てくるハマナスは、バラ科の植物で、
北海道の海岸に多く自生しています。
そういえば、別の有名なご当地ソングの歌詞にも
歌われていますよね。(いずれご紹介申し上げますね^^)
謎の言葉は、3番の歌詞に出てくる、『ピリカ』です。
ピリカはアイヌ語で『美しい、良い』という意味だそうです。
でも、それでは歌詞の意味がつながりません。
一説には、宗谷岬の歌詞のピリカは、
『エトピリカ』という海鳥のことを指しているとのこと。
たしかに、それなら意味がつながりますよね。
自然に岬の姿が浮かんでくるような歌詞と、
優しいけれどちょっとだけ悲しみを含んだメロディが
とても素敵な曲です^^。
たくさんの人に歌われている宗谷岬の動画を紹介いたします。
宗谷岬 (ダ・カーポ)
宗谷岬 (千葉紘子)
宗谷岬 (黒木真理)
宗谷岬 (芹 洋子)