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2012年04月15日

小説の書き方講座3

小説の書き方講座3

今日は「九階建てのマンション」のオチについて、
書かせていただきます。

尊敬するアメリカの短編作家スタンりイ・エリンは、
短い小説の最後の一文で読者をあっといわせるのが得意で、
最後の一文のために、序文のつかみからはじまり、
途中の文章で盛り上げるための伏線を散りばめて、
いつも最後の一文を劇的に演出しています。
あたしの目標も、最後の一文の盛り上げにあります。

「九階建てのマンション」を書くにあたり、
最後のオチからまず考えました。
読んでいただいた方にはお分かりでしょうが、
九階建てのマンションのオチは、二段立てになっております。
主人公の劉(りゅう)が事件を解決してから、
依頼人に報告に戻った場面で、最初のオチがあります。
当初のあたしの予定では、このオチの一本でこの小説を
書き終えるつもりでした。
ただ、それには難点がありました。
というのは、この最初のオチは、
おそらく読者のほぼ全員が予想できるオチであるからです。


もちろん意外性には乏しくなってしまいますが、
あたしはそれでいいと思っていました。
たとえ読者のほぼ全員が予測できるオチであっても、
文章を魅力的に書くことができれば、面白いものになる。
そういう意味でチャレンジしていこうと思っていました。
実際に、途中で読者にオチがばれても、面白い小説は、
たとえば、スタンリイ・エリンの「特別料理」とか
シャーリー・ジャクスンの「くじ」とか、
身の毛もよだつようなすばらしい傑作があります。
(目標には、ちとでかすぎるが^^;)

書き始めてしばらくしてから、
あるアイディアが偶然にひらめきました。
それが、2番目のオチ、すなわち、最後の一文です。
最後まで読んでから、確認していただきたいのですが、
九階建てのマンションの最期の一文は、
それだけ見ても、何のオチにもなっていないわけです。
でも、全文を読んでいただければ、かなり
切れ味鋭いオチになっていると、自分では思っています。
だから、あたし的にはお気に入りのオチです^^
そして、その最後のオチのために、
サキには音楽学校の留学生になってもらいました。

第2のオチは切れ味は鋭いけど、複雑になる分だけ、
インパクト度が薄いかな? とも考えましたが、
最初のオチを卓越した文章力で盛り上げるよりも、
今のあたしには、上手く書けそうな気がしたので、
急きょオチを変更したというのが真相です(逃げた^^)

今回のように、書いている途中でプロットが
当初の予定から大きく変わるようなアイディアが
ひらめくことは、あたしにはよくあります。
(てか、予定の詰めが甘いのよね。あたしのばやい><)
たとえば、「あざみ館の三姉妹」では、
山奥の不気味な洋館で、美人三姉妹が殺し合う……。
ってのが、当初のプロット。(なんじゃそれ^^;)
書いているうちに、次々とアイディアが浮かび、
(階段、遺言、肖像画、車いす、トリカブト、
 開かずの間、塔、焼却場、などなど)
あたし的にはとても楽しんで書けた作品です。

それぞれの書き手のスタイルがあると思いますが、
迷ったらとりあえず書いてみよう!というのは、
ある意味で大切なことだと思いますよん^^。




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Posted by あいちゃ at 21:58│Comments(0)小説
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