2009年08月12日
小説の冒頭文

小説の冒頭の文章って、とっても大事。
あたしの尊敬するかのスタンリイ・エリン大先生も
そのように、のたまわれています。
さてさて、今日のあたしの記事は、
「あざみ館の三姉妹」の冒頭文の変遷です。
最初に公開したときの冒頭文は・・・
「まったりと肌にまとわりつくような空気が立ち込める
7月下旬の炎天下の日にそれは送られてきた。」
でした。
ここで表現したい事は、
『不気味な手紙が突然送られてきた』ということです。
単純に書いたのでは味も素っ気もないので、
季節の描写と並列させる事にしました。
季節は夏! それなら、めっちゃ暑い日にしちゃおう!
そう思って書いていますが、
それにしても、「まったりと」はないですよね^^;
つぎに修正した文章が・・・
「陽炎がねっとりと地肌に纏いつく
七月下旬の猛暑日に、それは送られてきた……。」
です。
「陽炎」という単語はかっこいいですよね。
「まったりと」は「ねっとりと」に修正。いまいちかな?
最初のときの「まとわりつく」って言葉は
国語辞典に載ってませんでした。方言なの? ^^;
そこで、「纏いつく」に修正。なかなか苦労してます。
「猛暑日」っておかしい言葉!
でも日を入れないと、それもおかしいし・・・><
さらに修正した文章が・・・
「灼熱のアスファルトからゆらゆらと陽炎が立ち上る
炎天猛暑の土曜日に、それは送られてきた。」
です。
「ゆらゆらと」は気に入った言葉です。
「灼熱のアスファルト」はくどい修飾語ですが、
ないとまた物足りないし・・・、微妙ですね。
前回の「猛暑日」を、「炎天猛暑の土曜日」
としました。
「日」だとなくても入れても、しっくりしないですが、
「土曜日」と特定化することで、
ちょっとは自然に読めるかな・・・?
でも、全体的に頭でっかちの文章で、
リズムが悪いから、読んだ後味が良くないですね。
さあさあ、どうしましょう。もう、あきらめよっかな^^;
今回、ある事を閃いて、
冒頭文をこのように修正しました。
「それが送られてきたのは、灼熱の地面からゆらゆらと
立ち上った陽炎が
焼け付いた地肌にじっとりと纏いついてくるような、
日差しの厳しい土曜の午後であった。」
二つほど工夫した点があります。
ひとつは、「じっとりと」という修飾語にしたことです。
「ねっとりと」、「べったりと」、いろいろ考えましたが、
その中では、一番イメージに近い感じがします。
それから、気が付くと簡単なんですが、
文章の語順を倒置しました。
「それが送られてきたのは、」とすれば、
今まで困っていた事が解決するように思います。
倒置法って、本当にすごいですね。
今回、ハードディスクの奥から、
「あざみ館の三姉妹」の初期の構想を練る段階で、
書いたメモファイルが出てきて、
その中の文章が今の文章の推敲の大きな参考
になりました。
やっぱり、最初に思いついた文章って、素直で
分かりやすい表現になっている事が多いですね。
追伸: このたび、「アザミ館の三姉妹」のタイトルを、
「あざみ館の三姉妹」と修正させていただきました。
理由は、同小説のバナーを作った際、誤って
後者のタイトルで作ってしまったからです^^;
まあ、でもこっちのほうがいいかな?って・・・
Posted by あいちゃ at 17:08│Comments(0)
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