
2011年03月06日
ヴァン・ダインの推理小説

もっとも売れた推理作家のひとりであるヴァン・ダイン。
彼が創作したファイロ・ヴァンスという人物は、
数多くいる名探偵の中でも
とりわけユニークで魅力的な人物です。
ヴァン・ダインは1926年に「ベンスン殺人事件」でデビューして、
1927年に「カナリア殺人事件」、
1928年に「グリーン家殺人事件」
1929年に「僧正殺人事件」と
つぎつぎとベストセラーを出版していきました。
のちのエラリー・クイーンにも大きな影響をあたえた巨匠でした。
しかし、一方でアンチファンも多い感じ……^^;
あまりにも人気が沸騰しすぎた反発?と、
彼独特のどぎついペダントリー(知識をひけらかすこと)を
ちりばめた文章に抵抗がある読者もいるようです。
二大代表作「グリーン家」と「僧正」はどちらも、
純粋にパズルを楽しむ本格推理物というよりも、
スリラー・サスペンスの要素が強い感じがします。
その作風は、クリスティやクイーンのように、
意外な犯人やトリックで勝負するという感じではありません。
どちらかというと、シャーロック・ホームズの小説のように、
超個性的な探偵、ファイロ・ヴァンスの魅力に
引き込まれながらドラマを楽しんでしまう感じです。
今回、ふと、昔読んだ「グリーン家殺人事件」を
読み返してみたら、、、
うわー@@。ヴァン・ダインっておもしろーい!!^^
(中学時代も「グリーン家」は楽しめたんですけども…)
当時は全然気づかなかったことですが、
ヴァン・ダインは、文章がとても読みやすいんです。
アガサ・クリスティも文章がうまい作家ですけど
ちょっと、うまさが違う感じ。
(エラリー・クイーンは普通ですが^^;)
ヴァン・ダインの文章のうまさの秘密は、
文章がなぜか(?)読みやすい。(どして、どして??)
(東野圭吾さんとなにか共通点がありそう…)
人物描写が丁寧で(皮肉っぽいところが玉にきず^^;)
登場人物がとても生き生きしている。
なによりも、舞台となる場面の描写が
とっても不気味で、異様な雰囲気を醸し出している。
読者として読んでいるうちは、気が付かなかったんですが、
自分で小説を書くようになってから、彼の文章を読むと……、
おー@@、あたしの理想の文体ってこれよー!
とひとり勝手に感銘をうけ、
ただいま、ヴァン・ダイン氏の文章をひたすら研究中です^^
2010年12月04日
容疑者Xの献身劇場版

東野圭吾さんの推理小説「容疑者Xの献身」!!
あいちゃ独断の東野作品ランキングでも、
第4位ーー!!
の超傑作ですが、
その実写版がDVD化されてました。
ということで、早速拝見させていただきました^^
主役のガリレオ探偵こと湯川学役を演じるのは、
ご存知、あの龍馬伝の主役も演じられた、
福山雅治さんでーす。
きゃー><。豪華です。
対する、容疑者Xこと天才数学家石神哲哉を
演じているのが、堤真一さん。
(民主党の岡田外務大臣のような風貌でした^^;)
小説ではメタボのイメージの石神ですが、
この映画では、なんと福山ガリレオ先生よりも、
体力があるスポーツマン?^^;
として描かれていました。
映画としては、まあまあ楽しめました。
福山さん演じる湯川学は、
とてもあくが強くて個性的でしたけど^^;
でも、やっぱり小説を一読してから、
実写版はみるべきですね。
この映画でも、悪くはないんですけど、
解決編の衝撃度は、
小説にはとてもかなわないと思います。
「秘密」、「幻夜」、「白夜行」などをはじめとする、
東野作品の実写化が次々と進行していますが、
皆さーん、まず小説から先に読みましょうね。
もったいないですよー。あの感動が@@。。
2010年09月26日
作家・東野圭吾さん20

東野圭吾さんのシリーズもついに第20回ですか^^;
今日のトピックは、『プラチナ・データ』を読みましたー!
これは、今年2010年に出版された最新作なんでーす^^
毎回感心させられちゃうんですが、
東野圭吾さんの知識の深さですね!
今回の作品では、
DNA鑑定と多重人格症候群で
すごい想像力を見せてくれちゃっています。
DNA鑑定は、現在のレベルではなく、
残された犯人のDNAから
犯人の個人の特定がなされてしまうという、
近未来のレベルでの鑑定なんです!
DNAが窮極の個人情報となり、
国家がそれを管理することができるのか?という
現在の個人情報の問題とも絡められて、
またスーパーコンピュータでの管理システムなど、
生物学、情報学、犯罪学、法律学、
様々な学問が背景になければ書けない小説なんです。
多重人格症候群も東野圭吾さんは簡単に小説に
取り入れちゃっていますが、
複数の人格に力の優劣があるところなんか、
(片方の人格は常にもう片方の人格の言動を見ているが、
もう片方の人格は意識がなくなっているときに
他の人格が出現しているために相手の言動を知らないという、
一方通行型の二重人格者を取り扱っています)
どこでこんな知識を手に入れたの?と脱帽しちゃいます^^;
考えてみると東野圭吾さんの小説って、
ものすごい知識をベースに書かれているんですよねえ。
「手紙」では、犯罪者の家族や被害者の家族の苦しみ。
「さまよう刃」では、異常性犯罪者の心理。
「赤い指」では、痴呆老人を抱えた家族の苦しみ。
「秘密」では、観光バスの事故による
バス会社と被害者遺族たちとのやりとり。
「幻夜」では、神戸阪神大震災の現場の被害状況。
など、一体どこで調査してきたのー><。
個人の調査では限界があると思うんですけどね^^;
今回の「プラチナ・データ」はそんな東野圭吾さんらしい、
彼でないと書くことができない作品です!
とっても面白くてすぐに読めちゃいますよー(お薦めです^^)
ちなみに採点でーす。
総合得点41点(①8点②9点③9点④7点⑤8点)
( ① 作品全体の印象
② 序盤のインパクト
③ 登場人物のユニークさ
④ 結末のために敷かれた伏線の緻密さとすばらしさ
⑤ 結末の意外性と衝撃度 )
「さまよう刃」と同点ですが、
順位は「さまよう刃」が上とさせていただきます。
点数がやや辛くなったのは、
ストーリーが淡々と進行していくので、
登場人物への愛着が湧かなかったぶん、
意外な結末にも感動が普通だったかな?ってとこです。
やっぱり、人気作家になってしまって、
作品をあるペースで書き上げなくちゃならないところに、
作品の奥深さがついていかなかったのかも・・・。
(えらそーに、批難するなー! ごめんなさーい><)
でも、普通に超面白いSFミステリーですよん^^。
2010年09月17日
作家・東野圭吾さん19

前回の記事で、あの「白夜行」の第2弾として登場した
超大作「幻夜」の総合順位は、
第五位タイという結果になりました。
もう少し上位に食い込むと思われましたが、
五位に終わった理由は、
1、終盤の謎解き、盛り上がりが普通に良かった程度だった。
(めちゃすごいよ~。チョー感動><。。。、ではなかった)
2、謎解きの解答がはっきり提示されないままに終わっている。
の2点が不満だったからです。
(普通にすごい作品なんですがね^^;)
ところで・・・
「幻夜」を読み終わったあとで、幻夜についてコメントしている
様々なHPを拝見したところ・・・
おおっーー! @@ (さういうことか!!)
ということは・・・、
じゃーーん。
「幻夜」の総合得点を前回発表の数値から
修正変更させていただきま~す。
「幻夜」の得点は・・・、(はらはら、どきどき^^)
総合得点48点(①10点、10点、10点、9点、9点)
+3 +1 +1 +1
点数の内容は、
総合得点(
① 作品全体の印象
② 序盤のインパクト
③ 登場人物のユニークさ
④ 結末のために敷かれた伏線の緻密さとすばらしさ
⑤ 結末の意外性と衝撃度
)
となりましたー!
「手紙」と同点で2位ですが、個人的には僅差で
2位「手紙」、3位「幻夜」 とさせていただきたいと思います。
つまり、「幻夜」は、あの「容疑者Xの献身」(4位)と、
「秘密」(5位)の二つの作品をごぼう抜きというわけで~す!
あれー><。
「容疑者Xの献身」ファンの人と、
「秘密」ファンの皆様~、物を投げないでくださーい。
あたた・・・。びえーん、ごめんなさーい。
あの~、固いものや尖ったものを投げられると
マジ怪我しますんで~^^;
「理由をはっきり説明せんかい!」
「はい、ごもっともです><。」
「幻夜」は「白夜行」を読んだ後で、
お読みいただきたい作品ですが、
単独で読んでも読めるように書かれています。
確かに、「幻夜」の中で話は完結しているのです。
それだけで読んでしまうと、総合得点は45点ですが、
「幻夜」を「白夜行」の続編として読むんです!
「えっ、どう違うの?」
つまり、「幻夜」の世界と「白夜行」の世界が
重なっていると、、、
もっとはっきりいえば、
「白夜行」に登場した多数の登場人物と、
「幻夜」に登場した多数の登場人物の中の
一人が実は同じ人物である!として読むんです。
つまりその人物は「白夜行」と「幻夜」の両方の
小説に登場しているわけね・・・。
でも、それで何がどう変わるの?
そこから先は読んでみてお考えください^^。
とにかく、「幻夜」が「白夜行」の続編である!
という視点で「幻夜」を読むと、
おー、あの答がはっきりしなかった謎が解ける?
しかも、さらなる恐ろしい壮大なストーリーが・・・、
怖えーーー><。
「幻夜」はやっぱり傑作でしたー(満足~^^)
2010年09月11日
作家・東野圭吾さん18

久しぶりに東野圭吾さんの記事です。
「幻夜(げんや)」 読みましたー!
白夜行の第2弾として書かれたという、779頁の超大作!
執筆も東野圭吾さんの黄金期1998年から2004年での作品です。
前回の記事を参照してください。
あの最高峰「白夜行」を超えているのか?
あたしが独断でつけた東野小説のランキングは、
「幻夜」が入る前の暫定順位が、
1位: 白夜行 49点(10点、②9点、③10点、④10点、⑤10点)
2位: 手紙 48点(10点、②10点、③10点、④10点、⑤8点)
3位: 容疑者Xの献身
47点(①10点、②8点、③9点、④10点、⑤10点)
4位: 秘密 46点(①9点、②9点、③9点、④10点、⑤9点)
5位: 仮面山荘殺人事件
45点(①9点、②9点、③9点、④9点、⑤9点)
6位: 悪意 44点(①9点、②9点、③8点、④9点、⑤9点)
7位: むかし僕が死んだ家
43点(①9点、②10点、③8点、④8点、⑤8点)
以下省略、でした。
ちなみに点数の内容は、
総合得点(
① 作品全体の印象
② 序盤のインパクト
③ 登場人物のユニークさ
④ 結末のために敷かれた伏線の緻密さとすばらしさ
⑤ 結末の意外性と衝撃度
)
となっております。
そして、「幻夜」の得点は・・・?
間違いなく上位に食い込んでくる傑作です!
果てして白夜行を越えることができるのくゎー @。@
ひっぱるなー!! はい、ごめんなさーい^^;
「幻夜」の得点は、
総合得点45点(①9点、10点、10点、8点、8点)
あらー、これは「仮面山荘殺人事件」と同点の第5位です!
(ちょっと意外。もっと食い込むと思っていたのにー><)
「幻夜」は白夜行の二人の主人公、雪穂と亮司に対応する
人物として、
新海美冬(しんかいみふゆ)と水原雅也(みずはらまさや)
が出てきます。
白夜行と幻夜は違う小説なので、
これらの四人は全くの別人のはずですが、
唐沢雪穂と新海美冬の二人はとっても共通点があります!
読んでいただければわかりますが。(そこが怖いのよね~)
例えば、スタイルまで含めて絶世の美人。
陶器のように肌理が細かい美しい肌。
人を異様にひきつけるアーモンド形の目。
ロイヤルミルクティーを好む。
やることなすこと全てが順風満帆で、
邪魔になる人物は、何らかの目に合って
彼女たちの前から消えていく。
大成功を収めた青年実業者と結婚する。
などなど。
でも、違う点もあります。
雪穂は本音を語ることなく、何を考えているのか
わからない人物として表現されています。
美冬は雅也の前では本音?(自分の考え)を
はっきりと発言する、雪穂よりもより能動的な
人物として描かれています。
美冬と雅也のやりとりを読んでいると、
雪穂と亮司の間に同じようなやりとりがあったのかな?
と想像させてくれます。
そんな意味でも「幻夜」は楽しむことができます。
そして、途中殺人があったりして、
いよいよ物語りは佳境に入ります。
物語前編を通じて最大の謎について
(内容は本文をご覧下さい)、
その解答が最後に説明されます!
ただ・・・、
答が2通りあって、どっちなんだろう?
そうなんです。答えAと答えBの2つの可能性が
あって、真相がどっちか読者が推理してね、
で終わっています。
「どちらかが彼女を殺した」と同じ終わり方です><。
「どちらかが彼女を殺した」では犯人がわからない
わけですから、大問題なんですけど、
「幻夜」の場合は、答えAでも答えBでも、
まあどちらでも大差はないかな、って感じでした。
うーーーん><、これだけの大作なのに、
序盤、中盤の表現力は最高で、
読者は物語に引き込まれますが、
最後の結末の衝撃が、白夜行と比べると・・・。
という感じでした。
でも「幻夜」は、最後の一文が・・・、超最高です!
おおーー、すげーー、きましたよーー! ><。。
ただ、779頁の超大作が、
最後の最後のたったの一文を盛り上げるために
構成された小説だとすると、壮大だけど、、、
400頁くらいでもいいじゃん^^; って思われます。
ということで、今回の「幻夜」の総合得点は45点でした!
でもでも、実はこの話続きがありました!
やはり、「幻夜」はただものではなかったのです!
最初に読み終わった時にはわからなかった新事実!
「幻夜」の本当の恐ろしさはここからだったのです!
えー、どうなっちゃうの~?
続きは、例のごとく、次回にひっぱる、ひっぱる^^;
2010年07月01日
作家・東野圭吾さん17

東野圭吾さんの傑作小説 『白夜行』
その最高傑作を超える作品はあるのか?
もしあるとすれば、それは・・・
『 幻夜 (げんや) 』
なのかもしれません^^
ただいま、あたしは『幻夜』を読んでいる最中なのです^^
(やっとこ、真ん中くらいまで読みました~。
おっせーなー!! はい~><。 )
『幻夜』とは、どんな作品なのでしょうか?
一つの特徴は、とても長い長編小説だということです。
東野さんの長編はだいたい400頁前後ですが、
『白夜行』と『幻夜』は、800頁ほどあるんです!
文庫本なのに値段が1000円! きっつ~^^;
そして、『白夜行』と同じく、すごい美人が主人公なんです。
この他にも、『幻夜』と『白夜行』には共通点が多いんです。
当然期待しちゃいますです@@。。
『幻夜』の冒頭部ですが、
薄暗い工場の中に・・・
からはじまり、22頁の
・・・彼の目の前に、若い女が立っていた。
までの文章の完成度の高さ!!
(うわー 震えてきたー ><。)
もともと文章が悪魔的にお上手な東野さんが、
最も脂がのりきった2004年に書かれており、
こだわりつづけた本格物から、社会派推理物への
転換に成功して、その集大成である 『白夜行』 の
5年後に満を持して書かれた作品です!
さてさて、あたしの大きな期待にこたえてくれる
傑作作品なのでしょうか^^?
2010年06月15日
東野圭吾小説のランキング5

引っ張りまくった「東野圭吾さんの小説」の中から、
あたしが読んだ小説13作品について、
あたしの主観でランキングをつけてしまおうという、
ばちあたりな企画です(ごめんなさい><)
そして、いよいよ残った作品はたったの2つ。それは、
「白夜行(1999)」と「手紙(2003)」です!
ではでは、栄えあるあいちゃが選ぶ、
東野さんの小説ランキング第2位は・・・
総合得点48点(10点、②10点、③10点、④10点、⑤8点)
(注)採点基準は、次の5項目ですよん^^
① 作品全体の印象
② 序盤のインパクト
③ 登場人物のユニークさ
④ 結末のために敷かれた伏線の緻密さとすばらしさ
⑤ 結末の意外性と衝撃度 ひっぱるなって! ><。
「手紙」でーす!!
ということは・・・
栄冠に輝く第一位は・・・
もちろん、あの作品―― 「白夜行」 でーす^^
総合得点49点(10点、②9点、③10点、④10点、⑤10点)
どちらも驚異的にすばらしい作品なんで・・・
まず、「手紙」から感想を述べさせていただきます。
最高傑作「白夜行」を出してから間もなく書かれた作品です。
そして、これまでの本格推理もののこだわりを捨てて、
社会派推理小説への移行に成功して、
脂ののっている時期に書かれた小説です。
「手紙」のメインテーマは、
現代社会における答えのないひとつの問題についてです。
その答を東野さんは、登場人物の平野社長に語らせます。
その答えは正しくないのかもしれません。
そして、その答えは意外な答えでした。
(少なくともあたしには)
他の作品にみられる奇抜なトリックで度肝を抜くのではなく、
難しい問題の一つの解答を提供しただけで、
その解答の意外性と説得力の強さで、
気がつくと物語りに引き込まれているという、
壮大な作品です。
とにかく、ご一読してみてくださいね^^
そして、第1位の「白夜行」ですが、
この記事をご覧いただいている皆さんのほとんどが、
どーせ「白夜行」が一位に選ばれるんだろうと
予想されたと思います。(どんでんがえしはなしかよ~><)
言い訳する言葉はございません^^
だって、「白夜行」は東野さんの数ある傑作の中にあって、
まるで次元が違う傑作だからです。
(比較すること自体無謀だ~、と個人的には思います^^;)
「白夜行」の感想は、関連する過去記事を参照してください。
「白夜行」の得点は50点満点中の49点!
これを超える傑作なんて、果たして存在するのでしょうか?
もし、あるとすれば・・・
「幻夜」がもしかしたらそうかもしれません!
ついに、ついに、ついに^^
あたしは「幻夜」を買っちゃいましたー(おー衝動買い><。
(代金は1000円! 文庫本なのにー^^;)
「幻夜」は779ページの超大作です。
今、ゆっくり読んでいるところです。
そのうち報告いたしますね^^
(もちろん、ねたばらしはしませんですm(_ _)m)
2010年06月11日
東野圭吾小説のランキング4

さあさあ、あいちゃが(主観で^^;)選ぶ東野圭吾さんの
小説カウントダウンランキング、残るは三作品ですよ~!
それは・・・、「白夜行」、「手紙」、「容疑者Xの献身」です。
では、この中からまずは、第三位!
さてさて、どれが選ばれるのしょうか? ><
第三位は、「容疑者Xの献身」です!
総合得点47点(①10点、②8点、③9点、④10点、⑤10点)
(注)採点基準は、次の5項目ですよん^^
① 作品全体の印象
② 序盤のインパクト
③ 登場人物のユニークさ
④ 結末のために敷かれた伏線の緻密さとすばらしさ
⑤ 結末の意外性と衝撃度
容疑者Xの献身であたしが思うことは、
純粋な本格推理小説だ!ということです。
それって東野さんの最もお得意とする分野なんですよね?
確かに、東野さんの本格推理小説は今回のエントリーの中にも
「卒業」、「眠りの森」、「仮面山荘殺人事件」、
「どちらかが彼女を殺した」、「悪意」、
そして、「容疑者Xの献身」とたくさんあります。
でも、ちょっと待ってください。
「悪意」のあとに書かれた、「秘密(1998)」
そして「白夜行(1999)」、「手紙(2003)」、「さまよう刃(2004)」
これらはどちらかというと、社会派推理小説ですよね。
つまり、東野さんは「秘密」あたりを境に、作風を変えているんです。
おそらく、東野さんが一番書きたいのは、本格推理ものだと思います。
ただ、東野さんが創作するとても優れたトリックをしても、
黄金時代の本格推理小説(クリスティやクイーンたちの小説)に
対抗できない、(時代が違うので仕方ないことですが)
あるいは、その限界を感じていたのではないでしょうか?
そこで、他の追随を許さない独創性と、表現力を武器に、
社会派推理小説の執筆に方向転換された。
(あたしの主観的な意見ですが^^;)
そうして生まれたのが、「秘密」、「白夜行」、「手紙」、「幻夜(2004)」
という東野さんの代表傑作たちではなかったのでしょうか。
そんな中、2005年に執筆された本格推理小説が、
「容疑者Xの献身」です。
あたしが思うに、東野さんはこの小説のトリックに
よっぽど自信がおありになったのではないでしょうか?
だから、純粋な本格推理小説をまた書いた!
それだけに、この容疑者Xの献身のメイントリックは、
数ある東野さんの傑作の中でも群を抜いたものであり、
結末の意外性においては、まだ残っている2作品を上回っています。
現代小説で、これほど本格推理小説で面白いものは、
今のところ、あたしは他には知りません。(とにかくすごいです!)
では、次回に栄えあるあいちゃ大賞(1位と2位)の発表をしまーす^^
2010年06月09日
東野圭吾小説のランキング3

あたしがこれまでに読み終えた東野圭吾さんの小説13編から、
勝手にカウントダウンランキング付けをしてしまう、
大胆かつ失礼な企画です(ごめんなさい^^;)
前回までの記事にて、13位から6位までの作品の発表が
終わってます。
今、残っているエントリー5作品は、(公開年代順に)
「仮面山荘殺人事件 (1990)」
「秘密 (1998)」
「白夜行 (1999)」
「手紙 (2003)」
「容疑者Xの献身 (2005)」 です。
いずれも、そうそうたる傑作です^^;
ではでは・・・
第5位の発表です><。
・・・
第5位は、「仮面山荘殺人事件」です。
総合得点45点(①9点、②9点、③9点、④9点、⑤9点)
(注)採点基準は、次の5項目ですよん^^
① 作品全体の印象
② 序盤のインパクト
③ 登場人物のユニークさ
④ 結末のために敷かれた伏線の緻密さとすばらしさ
⑤ 結末の意外性と衝撃度
だーいどーんでんがえしー!!推理小説の傑作でしゅ~。
閉ざされた山荘に集った人々の間で起こる謎の殺人事件。
館ものという古典的かつ模範的なシチュエーションから
繰り広げられる一大ドラマスペクタル!
あっと驚く意外な、けちゅまちゅ~><。
もう完璧なエンタテイメント・ミステリーです。
(だったらなんで5位なんだ? ^^;)
あたしが最初に読んだ衝撃の東野作品です。超お薦め!
続いて、第4位は「秘密」です。
総合得点46点(①9点、②9点、③9点、④10点、⑤9点)
ええと、「悪意 (1996)」の2年後に書かれた小説が、
「秘密 (1998)」です。
あたしてきに分析すると、東野圭吾さんはこの間に
作品のスタイルを一変しているように思います。
「卒業 (1986)」から「悪意 (1996)」までは、
純粋な本格推理ものを目指して執筆されていますが、
「秘密 (1998)」以降は、推理パズルよりも、
現代社会の問題をベースに物語が進行して、
結末のどんでんがえしを楽しんでもらおうとする
社会はミステリーの作風に変化しています。
野望に燃える青年作家から、おちついた大人の魅力
を持つ熟練作家になられたような感じです。
そのあたらしい作風の転機となる作品が
この「秘密」ではないでしょうか?
ストーリーや意外な結末という観点では、
「仮面山荘殺人事件」の方が優れている
かもしれません。
でも、「秘密」、そしてまだ残っている3作品には、
登場人物の魂の叫びがあるんです><。
読み終わったあと、結末トリックの意外性だけではなく、
それ以外の何か心にどーんと残る、もやもやインパクト。
どっと押し寄せる虚脱感!
これぞ東野圭吾さんの真骨頂!というべき
代表作品ですよね^^
さあさあ、残る作品は
「白夜行」、「手紙」、
そして「容疑者Xの献身」です。
栄えある第1位はどの作品に輝くのでしょうかー?
続きは次回に~。
ひっぱります・・・ ^^;
2010年06月07日
東野圭吾小説のランキング2

東野圭吾さんの小説であたしが読んだ13冊の順位付けを
個人的な観点で行ってしまおうという企画です。
(東野先生、罰当たりなことをしてしまって、お許しください><)
エントリー作品は、(執筆された年代順に並べまして、)
「卒業」、「眠りの森」、「宿命」、「仮面山荘殺人事件」、
「むかし僕が死んだ家」、「どちらかが彼女を殺した」、
「悪意」、「秘密」、「白夜行」、「手紙」、「さまよう刃」、
「容疑者Xの献身」、「赤い指」 の13作品です。
採点基準は、次の5項目ですよん^^
① 作品全体の印象
② 序盤のインパクト
③ 登場人物のユニークさ
④ 結末のために敷かれた伏線の緻密さとすばらしさ
⑤ 結末の意外性と衝撃度
ではでは、栄えある?あいちゃが選ぶ東野さんの
傑作カウントダウン順位は・・・
第13位は・・・!
つまりそれって、最下位ってことっすね^^;(ひっぱる)
「卒業」です。
総合得点38点(①8点、②7点、③8点、④8点、⑤7点)
他の作品がすごすぎるだけで、「卒業」は
面白くて優れた推理小説ですよ^^
第12位は、「眠りの森」です。
総合得点39点(①8点、②7点、③9点、④8点、⑤7点)
東野作品の方向性が固まりつつある作品ですよね。
第11位は、「どちらかが彼女を殺した」です。
総合得点39点(①8点、②9点、③8点、④7点、⑤7点)
採点者があたしでなければ、もっと順位があがりそうな作品。
あたし的には、序盤の壮大な期待に、
結末が耐えられなかったかな? って感じで評価がちょっと・・・。
第10位は、「宿命」です。
総合得点40点(①8点、②8点、③8点、④9点、⑤7点)
上手くまとまっていて、面白いけど衝撃度は普通かな・・・。
第9位は、「さまよう刃」です。
総合得点41点(①9点、②9点、③8点、④8点、⑤7点)
えー、こんなに早く順位がついちゃったの? と叱られそう^^;
東野作品に眼が肥えてしまってから読んだからかな?
あとテーマ的に、やや抵抗があったかも。すごい作品ですけどね。
第8位は、「赤い指」です。
総合得点42点(①9点、②10点、③8点、④8点、⑤7点)
「赤い指」は、「さまよう刃」、「手紙」と並んで
現代社会の恥部に踏み込んだ意欲作です。
この手の作品は序盤の衝撃はすごいですね。
序盤の衝撃がすごすぎる分、結末への期待が大きくなり、
その期待に結末が耐えられないと、評価が下がってしまう><。
第7位は、「むかし僕が死んだ家」です。
総合得点43点(①9点、②10点、③8点、④8点、⑤8点)
作品の完成度は後期に書かれた小説にかないませんが、
若き東野圭吾さんの野望作って感じがします。
強引な序盤設定、中盤の不気味さ、サイコスリラー、
少しずつゆっくりと解決されていく謎、過去への旅、
とっても面白い小説でした(余は満足じゃ^^)
第6位は、「悪意」です。
総合得点44点(①9点、②9点、③8点、④9点、⑤9点)
この作品は、あまり騒がれていない地味な評価の作品ですが、
すっげー面白いです! 文章も読みやすく、叙述トリックありの
意外な結末ありの、完成度が極めて高い作品です。
こういう隠れた宝物を見つけるとうれしいですよね^^
いきなり殺人の犯人がわかっちゃって、
いかにして犯行が行われたのかを推理する倒叙形式で
書かれた作品です。(東野さんには珍しいかも)
そして、動機・・・。なぜ、犯人はこの犯行を行ったのか?
クリスティの「三幕の殺人」を思わせる傑作です。
さあさあ、残る作品はあと5つ!
栄えある?あいちゃが選ぶ東野作品カウントダウンは、
次回の記事で紹介しますよー^^ (予想通りひっぱってしまった)
それでは、みなさん、まったねー。^^。