
2009年03月02日
仰げば尊し 考3

「仰げば尊し」の歌詞について考えてみようコーナー第3弾!
卒業式で歌われる「仰げば尊し」は1番、2番(?)です。
「蛍の光」も1番、2番までなので、卒業生・在校生の歌が
ともに2番まで歌われていて、バランスはいいと思われますね。
でも実は、「仰げば尊し」で歌っているのは、1番と3番だった!
つまり、2番はあるんだけど、なぜか歌われないんです!
なんで?なんで? @@
それでは、このコーナーのメイントピック、
「仰げば尊し」の幻の2番の歌詞を考察してみます。
2. 互いに睦(むつみ)し 日頃の恩
別るる 後(のち)にも やよ 忘るな
身を立て 名をあげ やよ 励めよ
今こそ 別れめ いざさらば
はじめて歌詞を見たよ、って人もいるかもしれませんね。
さっそく、意味を考えて見ましょう・・・
第1行の難しい言葉は「睦む」ですね。
でも、この言葉は・・・そう! 「仲睦まじい」の睦ですね。
つまり、第1行は訳せば、
お互いに仲よく過ごした、日々の恩恵を
続いて第2行の訳もいきま~す。
別れた後でも、忘れないでくださいね。
最後の「ね」って勝手につけたんじゃないですよー。
文章の「やよ」ってあるでしょ。 Yahoo 知恵袋
「やよ」は呼びかけのときに発する言葉の
おいおい、とか やあやあ に相当するものだそうです。
だから、男の子の会話なら、第2行の訳は、
たとえ別れても、おい、忘れるんじゃないぞ!
って感じですかね(肩をたたきあっちゃって^^)。
それでは、第3行です。
「身を立て 名をあげ やよ 励めよ」・・・。その意味は、
立身出世をしなさい。 名前をあげなさい。
そうなるように・・・、君! 一生懸命に努力しなさい。
みなさんはこの歌詞を、どう思われますか?
そして、第4行・・・。
これでお別れだ。 じゃあ、さようなら・・・。
「仰げば尊し」を卒業式で歌うことを強制するのはおかしい!
という意見が最近問題になっています。
その理由は2つあります。
一つは、歌詞の解釈によっては、教師崇拝を思わせる内容。
もう一つが、2番の第3行の歌詞の内容。
つまり、立身出世をして名をあげて、
ときには他人を蹴落としてでも、精進しなさい、という部分です。
(軍国主義に都合のいい歌詞であるともいわれてます)
あたしの意見を言わせていただくと、
「仰げば尊し」の歌詞が発するメインメッセージは2番なんです。
だって、1番と3番は歌詞の内容は、
情景描写だけで済ませてあります。
どちらも、過去を懐かしみ、さあ別れましょう、でしめ切っています。
でも、2番は違うんです! 「やよ」という言葉が2回用いられて、
聴き手にメッセージを訴えているんです。
(1番と3番が受動的なのに対して、2番は能動的ともいえます。)
身を立てるために、名をあげるために、
個人が努力をすることは、決して悪いことじゃないし、
それはとても素敵なことだと思います。
残念ながら、今の時代の精神にはそぐわないのかもしれませんね。
でも、もう一回、2番の歌詞で「仰げば尊し」を歌ってみてください。
強いメッセージが伝わってきて、
なんとなく、胸がジンとあつくなっちゃいませんか?