
2009年02月28日
仰げば尊し 考2

「仰げば尊し」の歌詞の意味を考えよう・・・シリーズ第2弾!
卒業式の定番の歌、「仰げば尊し」、
その難解な歌詞以外にも不思議なことがいっぱいです。
前回の記事では1番の歌詞を調べてみました。
今回の記事では3番の歌詞を調べたいと思います。
「えーー!? なんで2番じゃないの?」
当然の疑問ですよねえ^^
実は、卒業式では「仰げば尊し」の歌詞は3番まであるにも
かかわらず、歌われるのは1番と3番だけなんですよね。
(なぜ、2番が歌われないんだ・・・??)
その疑問は後回しにして、3番の歌詞を考察してみましょうね。
3. 朝夕 馴(な)れにし 学びの窓
蛍(ほたる)の ともしび 積む白雪(しらゆき)
忘るる 間(ま)ぞなき ゆく年月
今こそ 別れめ いざさらば
第1行はわかりやすいですよね。
朝から夕方まで、いつも慣れ親しんだ学び舎の窓・・・。
第2行はちょっと意味深ですね。
蛍のともしびや降り積もる白雪の想い出が移り過ぎていく。
「蛍」ですか! そういえば、卒業式のもうひとつの定番曲が、
「蛍の光」ですね。出だしの歌詞が、「蛍の光 窓の雪・・・」
2つの歌詞に共通の「蛍」と「窓」と「雪」の言葉は偶然なのでしょうか?
「蛍雪」という言葉は中国の故事で、 語源由来辞典
夏には蛍を集めて、その光で本を読んで勉強して、
冬には窓からこぼれる雪明りで、本を読んで勉強する。
こうして、努力が結ばれて出世するお話がもとになっているそうです。
つまり、第2行を意味を考えて訳すと、
僕たちは、一生懸命に学業に励んできました。
いよいよ、クライマックスの第3行!!
「わするる まぞなき ゆく としつき」
意味不明ー>< 日本語じゃないよー^^;
中学校のときに、一部の男子が「まぞ」という言葉をやたらと強調して
よろこんでいました。「やめてくれー>< 名曲が・・・」と思いつつ
正しい歌詞の意味もわからないので、なんで「まぞ」なんだ??
「まど」の間違いなんだ。きっと・・・。と一人で勝手に解釈していました。
(「まど」でもまったく意味不明だろう・・・^^;)
「まぞ」の意味は、「間」+「ぞ」、
すなわち、 空間or時間+係り結び助詞 ですよね。
おーー、またまた出てきました。 係り結びが! ネットの学校
だとすると・・・、とってもすてきな意味が浮かび上がりますよ。
去り行く年月の数々の想い出は、
どれひとつとして、忘れることはできません。
ZARD さんに、「Season」というタイトルの隠れた名曲があります。
そのなかで、主人公の男の子が、告白できなかった憧れの女の子に
向かって、英語のメッセージを(独り言で^^;)つぶやきます。 それが、
"I'll remember you and the windy season."
(僕はきっと忘れない! 君のことと、あのそよ風の季節を・・・)
思わず、この歌詞を思い出してしまいました^^。
そして、最後のメロディとともに、第4行の歌詞、
さあ、ここでお別れです! みなさん、さようなら・・・
「こそ」+「別れ」+「め(意思)」 の係り結びでしたよね。
第4行の歌詞って、すごいと思いませんか?
だって、 さあ、今こそ離別のときなんです! って意味でしょ。
これって、恋人同士の会話だとすると悲劇になっちゃいますよね。
つまり、歌詞としてありえないシチュエーションじゃないですか!
でも、もし「別れ」が、次のステージへのステップであり、
みんなで突き進んでいこうね、という気持ちであるのなら、
こんな歌詞でも、ちゃんと成立するんだなと思います。
歌手の森山直太朗君の名曲「さくら」の中での
「泣くな友よ、今、惜別の刻 飾らないあの笑顔で、さあ・・・」
なども、仰げば尊しのこの歌詞を踏まえていると思われます。
「仰げば尊し」のフィナーレを飾る、3番の歌詞。
とても素敵な歌詞(特に第3,4行が)で、震えちゃいました。
なんか嬉しいですね。