
2010年06月04日
作家・東野圭吾さん16

東野圭吾さんの小説、相変わらず読みまくっているあたしです。
さて、今回は二つの作品を紹介いたします。
(ネタばらしにはならないように、気をつけますね^^)
まずは、「むかし僕が死んだ家」です。
これは、異色な作品です!
ただ、東野さんの作品はみんな異色なので、
東野作品としてはノーマルだったりして^^;
登場人物はたったの二人!
最後までこの二人の男女の会話を中心に話が展開します。
女性は幼い頃の記憶がないんです。
なぜ? おー@@、面白そう!!
その女性が、昔ここにいたかもしれないという「灰色の家」
そこに残された日記・・・。
ある少年が書いたその日記を読んでいくうちに・・・、
怖えーー><
これこそ、あたしの求めていた理想のシチュエーションよ!
それだけ鋭いシチュエーションの中で、
やや強引なストーリー展開ながら、
読者はその世界に取り込まれてしまいます。
登場人物が記憶を辿っていくストーリーなので、
表現も東野さんらしいクリアーな記述ではなくて、
ちょっとぎこちない語り口で話が進んでいきます。
この辺もこの小説の独特さだと思います。
エンディングは上手くまとまっていて、いい作品ですよ^^
次に「さまよう刃」です。
わりと最近の作品で、
いきなり出だしからショッキングなテーマの話です。
「手紙」や「赤い指」と並ぶ、
現代社会の恥部に踏み込んだ意欲的な作品です。
ただ、テーマが衝撃的過ぎるために、
結末で東野さんは困ったと思います。
読者をあっといわせる結末を選ぶか、
読者が喜ぶ結末を選ぶか?
あたしには難しすぎて選択できません><
そこはさすがの東野さんです。
読者をあっといわせて、
かつ納得のいく結末を提供してくれました。
でも、読者をあっといわせるトリックが、
やや空振り気味だとあたしは思いました。
でも、仕方ないですよね。
もっと、読者を煙に巻こうとすると、
納得できない結末になってしまうように思えます。
とにかく、問題作であり、傑作だと思います。