< 2025年05月 >
S M T W T F S
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
QRコード
QRCODE
metabirds › あいちゃの小部屋(そらまめブログ) ›  › 竹田の子守唄 考4

2012年01月26日

竹田の子守唄 考4

竹田の子守唄 考4

「赤い鳥」が歌った名曲「竹田の子守唄」の
難解?な歌詞に迫るシリーズもついに最終回です。
いよいよこの曲の謎の核心に迫ります。

問題の歌詞は4番のたったひとつの単語にありました。
それでは、まずその4番の歌詞を見てみましょう。

 4.はよもいきたや この在所(ざいしょ)越えて
   むこうに見えるは 親のうち

さてさて、何がいったい問題なんでしょうか?

主な単語としては、
 「在所」は、現代の用語であれば、
  生まれた場所(郷里)という意味ですよね。
 ただ、辞書で調べてみると、
 都会から離れた田舎、という意味もあるそうです。
 「親のうち」はそのまま親が住んでいる家屋です。

えー。何が問題なのさ@@?

4番歌詞の意味は、

早くいきたいな~。
この在所を超えて、向こうに見えるのは、
私の親が住んでいるお家なの。

という意味でしょう(そのまんま)。
何が問題なんだ―? ><。

1番から3番までの歌詞を思い出してみましょう。

お金持ちの家庭に子守り奉公に来た少女が、
楽しいはずのお盆を前にして、
自分の貧しい身なりをあげて、
私はお盆を楽しむことはできないわ、と嘆きます。
さらに、毎日の子守りの仕事はとても辛くて、
早く奉公から解放されたいと願っています。

そして、4番歌詞では、
早く在所の向こうにある親のうちに帰りたい、
と悲しがって、歌は終わります。

ところで「親のうち」って、
よく考えてみると変じゃないですか?
「親のうち」ってイコール「あたしんち」
ですよね? ^^;
なんで、「親のうち」なんて歌ったんでしょう?

がーーん! @o@
そうです。そこは「親のうち」なんだけど、
「あたしんち」ではないのです!
現在の「あたしんち」はご奉公先のお家なんですね。

そして、「親のうち」に帰ることができない理由は、
奉公をして、親のうちに仕送りをしつつ、
親のうちの食費を軽減するためでしょう。

この歌は、華やかな街の生活に対して、
地方で貧しい暮らしをしている人々の
悲しい叫び声を嘆いた歌だったんですね。

んで、何が問題なのさ? ^^;

それは、「在所」という言葉です!
「在所」の意味が、故郷という意味ならば、

早く帰りたいな。
なつかしい故郷にある、私の生まれたお家へ。

という意味になりますが、
もしも「在所」が、田舎という意味だとすると、
(この歌の竹田地区がある京都では、
「被差別部落地域」という意味もあるそうです)

早く帰りたいな。
この部落の向こうにある、私の生まれたお家へ。
(私の生まれた家も、部落の中にある)

ということになります。

でもね……、ちょっと変じゃないですか?
在所の意味が被差別部落だとすると、
「この在所超えて」の「この」が
違和感ありませんか?

少女の生家が被差別部落にあるとしたら、
少女は今、街にいるわけですから、
故郷の方角を見た時に、
部落は遠くにあるはずです。
だから、「あの在所を超えて」という表現に
なるはずと思うのは、あたしだけでしょうか?

ちょっと、待て待て。
もう一つの解釈の「在所」=「故郷」でも、
同じ違和感があるじゃないですか?

あちゃー><。論理が崩壊している~。

じゃあ、「在所」の意味は、最も単純な、
「人が住んでいる所」。
すなわち、少女の奉公先は、
少女の親が住む貧しい地域から、
さほど遠くない場所にあり、
(大きな川を挟んで向かい合っているのかも)
「在所」は、奉公先の居住区のことであり、

早く帰りたいな。
こんな嫌な生活場所を超えて、
向こうに見える私の生まれたお家に……。

という意味なら、「この」がすっきりします。
「この在所」は、やはり少女が今住んでいる地域を
指すと解釈するのが 自然でしょう。

しかし、たとえわずかでも、
あからさまに被差別用語と解釈されてしまう可能性を
持ってしまった「在所」という言葉を含む歌詞は、
放送業界からしてみると、爆弾みたいなもの。
というわけで、この美しいメロディは
ある時期を境に放送されなくなってしまったんです!

名曲「翼をください」で有名なフォークグループ
「赤い鳥」の最高自信作である「竹田の子守唄」は
このような経緯で、表舞台から消えてしまいました。

ちょっと長くなりますが、(30分番組)
「竹田の子守唄」を特集した番組の動画がYou Tube に
ありました。
ぜひ、見てください。 それでは~^^

  特集:竹田の子守唄1
  特集:竹田の子守唄2





同じカテゴリー()の記事画像
竹田の子守唄 考3
竹田の子守唄 考2
竹田の子守唄 考
仰げば尊し 考5
仰げば尊し 考4
仰げば尊し 考3
同じカテゴリー()の記事
 竹田の子守唄 考3 (2012-01-21 19:35)
 竹田の子守唄 考2 (2012-01-14 20:34)
 竹田の子守唄 考 (2012-01-07 22:34)
 仰げば尊し 考5 (2009-03-07 00:27)
 仰げば尊し 考4 (2009-03-03 22:54)
 仰げば尊し 考3 (2009-03-02 18:07)

Posted by あいちゃ at 21:58│Comments(2)
Comments
おおー、深かったんですね!
とてもお勉強になりました^^
さすが あいちゃさん!
Posted by mizuki at 2012年01月29日 00:32
名曲って、本当にいろいろあるんですねえ^^
Posted by あいちゃ at 2012年01月29日 15:55
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。